「……んッ……くっ、んはぁ……はうぅ……ッ……はぁ……ッ、はぁぁ……ッッ……ンン……」
茉莉花の苦しげな、それでいてどこか切なげな吐息が、夏の熱気と絡みあい、ムンムンした室内をいっそう息苦しいものにする。
(おぉ、茉莉花……)
私はそんな茉莉花の姿を、文字通り息詰まる思いで見ていた……。
「ふはあぁぁうんん……ああん、よ、良夫さんっ、あはああぁ……」
座卓の上に仰向けになり、蜜蝋でなめした麻縄で緊縛される茉莉花。
むちむちした両脚は下品ながに股開脚姿に貶められ、もっとも恥ずかしい部分がパックリとピンク色の粘膜をさらけ出している。
「実にいい格好だね。きみのスケベな本性が丸出しになってる……違うかい?」
「ああん、良夫さん……恥ずかしい……ふはああぁ……」
言葉の刃で切り刻まれ、茉莉花はいやいやとかぶりを振る。
両手は万歳をさせ、肘から先を束ねるように一つにまとめていた。
手と足それぞれの戒めは、近所の公園から拝借した青竹に結び付けられ、その青竹は座卓の脚の前二本、後ろ二本を跨ぐように通されている。
まだ青々とした竹は、すでにギシギシと牡の嗜虐心を刺激する不穏な軋み音を立て、茉莉花のしなやかな肢体を艶めかしく押さえつけていた。
「あぁ、お願い、です……そんなにいっぱい見ないで……あぁ、困る……ふはあぁ……」
容赦ない視線の責めに晒され、茉莉花は早くも妖しく発情し始める。
そんな牝奴隷の麗しい姿に、私は心の中で嘆声を零す。
(ふむっ……布団を縛って練習をするくらいはしていたけど、初めてのわりにはいい感じだな)
「はふうぅん……あぁ、どうしよう……恥ずかしい……あはああぁ……」
「ふ、ふふっ…」
縄化粧された茉莉花が放つ妖艶な魅力に恍惚とし、私は満足して顎をしごく。
茉莉花を縄で責めるなら、昼間、日の光を浴びる肌に限ると考えていた。
縄化粧された健康的な黒肌に、障子から漏れる光が降り注いで肌を炙る光景は、まさに完熟の果実が枝からもげそうになるのを見ているようだ。
「今、自分の身体がどうなっているか分かるかい? 茉莉花」
「はぁ、はぁっ、はぁぁ……し、縛られて……います……ひっ!?」
手拭いで目隠しをされたまま、息を荒げて茉莉花は答える。
私はそんな茉莉花の褐色の艶肌を、いつくしむように撫でた。
「ひううぅ……! あうっ、あん、良夫さん……んんっ……」
「むんぅ……」
水をたっぷりと口に含み、口移しで飲ませる。
前もって水分をたっぷりと摂らせている茉莉花の肌は、冷房のない部屋の中心で汗まみれになっていた。
「ひむうぅんっ……!? んむぐうぅ……」
肌を撫でていた手のひらで軽く打ち据えると、茉莉花がぐっと息を呑む。
「これから、どんなことをされるか分かるかい?」
牝の淫心を撫で上げるような声音で、私は囁く。
「はぁはぁ、はぁぁ……わ、分かりません……分からないです……」
茉莉花はさらに息を荒くし、形のいい小鼻をひくつかせて声を震わせる。
「今から私は、茉莉花の肉体と精神を穢し、辱める……例えば、こんな道具でだ」
「――ひっ」
「はふうううんっ!? ああぁっ……あっ、い、痛いぃぃ……はぁぁ、はぁぁ……」
痛みに悶える茉莉花の切ない声が室内に響いた。
ゆさりと重たげに揺れる、たわわな双乳――その先端を彩るいやらしい乳首が、細く切り出した二本の青竹に挟み込まれる。
青竹を割り箸くらいのサイズに四本切り出し、二本ずつ輪ゴムで束ねた、乳首挟みの責め具。こっそり自作したものだ。
「ひううっ……! 良夫さん、痛い……痛い、ですっ……あああぁ……」
「ふふっ、こんなのまだまだ序の口だよ?」
「あぁ、そんな……くうっ、むんぅ……んああぁ……」
「ふふふっ……」